青色の怪獣遣いになりたくて

怪獣とおんなのこの夢をみている

カロリーメイト(バニラ味)@大塚製薬

 ファイト!が頭の中で流れるときは、私が私と闘わなくてはならないときなのだった。

 

大吟醸」が読める小学生

父の運転する車はカーナビが設置されていなかったが無音だったことはなく、CDかラジオ(TOKYO FMが多かった)がいつも流れていた。リピートされるCDは買ってすぐのものが多くて、中島みゆきのベストアルバム「大吟醸」もそのうちの1枚だった。私は後部座席でCDのブックレットを読むのが好きな子供で、そしてもれなく酔う子供だったわけだが、おかげで小学校低学年にして「だいぎんじょう」が読めるようになった。アルコールを嗜まない家庭だったのだが。

90年代までのベストアルバムで、だいたいの曲を覚えた。「わかれうた」が歌える小学生はちょっと怖いな。歌詞がすごいなぁと幼心に思っていた記憶がある。「狼になりたい」で描かれる吉野家の風景、「悪女」のマリコにかけられる電話、そして「ファイト!」の駅でのワンシーン。

中島みゆきという歌手の素晴らしさはここで語るまでもないので割愛するけれど、心の醜さ、美しさを心の臓を掴むように歌う人だと、小さい頃から思っている。

 

満島ひかりの「ファイト!」

中島みゆきの「ファイト!」を、満島ひかりカロリーメイトCMでカバーしていたが、あまりに力強くてびっくりした。そしてとてもいい、と思った。

初めて観たモスラが「モスラ2 海底の大決戦」だったからという以前に、ポンキッキーズ世代なのでfolderを知っていたし、満島ひかりは素敵な俳優さんだと思っていたけれど、「ファイト!」を単なるエールではなく、『私の敵は私である』というメッセージを、あの凜とした瞳で歌われるので、背筋が伸びる思いがしたのだった。CMの最後、「ファイトー!」と叫ぶ姿。

 

カロリーメイトのCMに毎年感動しちゃうので年齢を感じる

受験シーズンが近づくと流れるカロリーメイトCMに、毎年グッときてしまう。2022年はスマホの画面から見た受験生の日常だけど、よく思いつくなぁ!最近の子ってあんな感じなのかしら。

自分も学生時代からカロリーメイトにはお世話になった。受験勉強のお供、補習の前の小腹満たしとか。社会人になってからも、いつも机にストックしている。忙しいときの昼食代わりに、残業時のおやつに。私のお気に入りはフルーツ味だが、2022年春、ここにバニラ味が加わった。

 

うわもうこれクッキーじゃん

https://www.otsuka.co.jp/cmt/lp/vanilla/

3月に発売されたものの、なかなか手に入らなかった。ライトブルーのロゴがさわやかな雰囲気のパッケージ!バニラだからって白じゃなくて水色、いいですね〜。わくわくしつつ実食。

これお菓子じゃん!?

確認するとチョコチップが入っていた。道理でクッキーみたいな気がするわけだ。これ、栄養補助食品でいいんですか??こんなにお菓子みたいなのに???(喜んでいます)

 

かくして私の机に、カロリーメイト(バニラ味)がフルーツ味と並んで常備されるようになった。隙間に食べる用ではなく、面倒な仕事が片付いた時のご褒美や、気合いを入れる時用である。

もちろん食べている時、私の脳内には「ファイト!」が流れる。そうしてちょっと自分に酔いつつ、仕事をまた頑張るのだ。

 

明日の予告

人生で2番目くらいの鬼電をしたお菓子のこと

せとかのパフェ@日本橋千疋屋総本店

かわいい従兄弟、そのままであれ

 

この春、大学生の従兄弟がしばらく東京に滞在していました。せっかくなら遊ぼう!どこか行きたいところある?と訊くと、

「美味しいパフェが食べたい!」

おおう、甘党なのは知ってたので驚かないけど、観光名所とかじゃないのね。良かろう、一緒に行列待ちだ!という訳で、私の母親と3人、いざKITTE日本橋千疋屋総本店(https://www.sembikiya.co.jp/product-info/parlor-menu)へ。

 

この従兄弟はのほほんとした性格で、庭で植物を育てることとお菓子作りが趣味(中学生のときは料理部と陸上部を兼部していた)という男の子です。

今時の男の子だなぁと思ったのは脱毛をやっていることで、この日も学生のうちにサロン通いを完遂すると息巻いていました。

 

開店してすぐだったのであまり待つこともなく、メニューを見て「どれにしようか迷う〜!」と嬉しい悲鳴。彼は熟慮の末、王道の苺のパフェとフルーツサンドを注文しました。私たちは季節のものを、ということでその時出ていたせとか(https://www.kajuen.co.jp/introduction/item14.htm)のパフェを選びました。1,700円くらいだったかな?

 

おしゃべりしているうちに、いよいよパフェが運ばれてきます。パフェってフランス語の「パルフェ(完全な)」から来ているとのことですが、その完璧な佇まいには毎度うっとりします。

どのお店のパフェもそうですが、宝石のような果実、工芸品のようなチョコレートや焼き菓子、見栄えと味を計算された層の重なり……どこから手をつけるか悩ましくない?私は悩んでいます。

スプーンより先にスマホを構え、満面の笑みで自分のパフェをバシャバシャ撮りまくる従兄を見ていて、我が父のエピソードを思い出しました。

 

それは私の両親の若かりし頃。レストランに行った際、けっこう大きめのパフェがコースの締めに選べたそうなのですが、父がそれをぺろりと平らげたのだそう。母はパフェをパスしており、その様子にやや引いたと言います。『いくらよく食べるからとはいえ、周囲の男性が誰も頼んでいない甘いものを、平然と頼んで食べるってのが信じられなかった』とのこと……

 

運ばれてきたせとかのパフェは黄色くきらきらと輝いていました。果実の断面が瑞々しい。6切れのせとかと、柑橘(グレープフルーツだったか?)とヨーグルトのシャーベットが盛り付けられています。

柑橘の爽やかな香り、甘酸っぱさが美味しい!

フルーツ系のパフェやケーキにおいては(カットフルーツならなおさら)、素材の味を活かせてこそと思っていますが、ここではクリームでなくシャーベットを使ったのが流石……という感じ。素材がまず良いんだけど、その素材をきちんと活かしているというか。

 

従兄弟をみると、苺の一粒をきらきらした瞳で口に運び、クリームを丁寧にすくってニコニコしていました。好きでしょうがないのがわかる、全くかわいいぜ!

 

自分の好きなものを好きだって素直に言えること

、それを性別で咎められないことって、めっちゃ大事だけど、あの時の母のように、うっかり他人の趣味を咎めたりしてないかな?と思います。私は一般的には男の子の趣味と言われがちな怪獣とかが好きなのですが、両親も周囲も「まぁ、いいんじゃない?」という感じでここまで接してくれたから、いま元気にやれていると感じているのに。

 

私のかわいい従兄弟が、誰かのかわいい人が、ずっと笑顔でパフェを食べられますように。

 

明日の予告

ファイト!が脳内で響くとき

アミューズバー@ラ・メゾン・デュ・ショコラ

次生まれ変わるのに女のコじゃなかったら、なりたいスイーツって?

 

注意 漫画「ノケモノと花嫁」について少々ネタバレがあります。

 

ノケモノと花嫁」と、かっこいい女のコ

今年、我が人生において全巻集めた数少ない漫画の愛蔵版が2つ出版されました。その1つが「ノケモノと花嫁」です。

原作:幾原邦彦、漫画:中村明日美子というブチ上がった作品で、これで掲載誌はKERA(パンク、ロリータ、ゴシック系のファッション誌)だったんだから最強というほかない。KERAの休刊でネット連載となり、その媒体も流浪を経て、足掛け11年・全8巻で完結しました。ま〜〜話も絵もサイコーなのでマジでみんな読んで……

 

ノケモノと花嫁」には魅力的な女のコがいっぱい出てきますが、私はまろにえのファンです。6巻表紙の左側の女のコですね。黒髪ストレートロング、相棒のみゆたんとガールズバンド「魔女リカ魔女ルカ」を組む、クールだけど面倒見の良い、おしゃれな刹那的快楽主義者!

彼女がかっこいいシーンはたくさんありますが、RUNAWAY:103が私のイチオシです。

物語は終盤、主人公のヒツジ(1巻表紙のピンク髪の女の子)と、最後の戦いに赴くまろにえ達。巨大な敵に見つかれば飲み込まれてビターチョコのヌガーバーみたいになってしまう、と言われ、ここでみんなと別れて1人で行く、と言うヒツジに、まろにえはこう返すのです。

 

『ビターチョコのヌガーバー?/いいじゃない 大好物よ/次に生まれ変わるとき 女のコじゃなかったら カワイイスイーツになりたかったのよ/望むところだわ』

 

カーーーッ!かっこいい!!私もそんなことがお友達のピンチに言えるいい女になりてえ!!!

この後もひたすら良い場面が続くので読んでください。そして私とノケ花の話をしよう(『父』の不在とかギンとイタルの正体とか)。

 

ゴージャスなチョコバー

時は流れて今年の春前。

たまたまラ・メゾン・デュ・ショコラの前を通りがかり、(この前知人がオススメしていたバトネプラリネってあるかな?でもお高いんだよなぁ……ええいままよ!)とお店に入ってみました。が、案の定バトネプラリネは売り切れ。誰だよあんな凄いものを送別ギフトにおすすめしたやつ。

でも折角こんな高級チョコレート店に来たので、何かは買って帰りたい……ここでアミューズバーが目に留まりました。

https://www.lamaisonduchocolat.com/ja_jp/case-amuse-barre-dark

ノアールとレがありますが、ノアールのリンクです

価格:1,118円(通販可)

たっか!15cmもないチョコバーよ?さすがラ・メゾン・デュ・ショコラ。しかしそこでふと思いました。

「まろにえ、これくらいゴージャスなチョコバーでもお似合いじゃない?」と。

買いました。

そして拝んでから食べました。一口あたりの値段は考えないものとする。

 

めっちゃ美味しいんですよ!

チョコバーの醍醐味は食感の楽しさだと思うんですが、ザクザクとシャリシャリ、なめらか感が楽しめて一口ごとに贅沢な気持ちになれました。

ビスキュイ、アーモンド&ヘーゼルナッツのプラリネをそれぞれダークチョコレート/ミルクチョコレートでコーティングしています。ノアールにはローストしたアーモンド、レーズン、チョコレートビーズ入り、レにはローストしたヘーゼルナッツ、ライスパフ、クレープダンテル(フィアンテーヌ)入り。サイト見て書いてますが横文字が多いな。

ダークチョコレートが後を引かないキリッとした味わいで、そういうところもまろにえみたいであった……

これをジャンクにヌガーバーよろしくいただける心臓の強さがあればなー、でもまろにえはやってくれそう。そうなるとノアールがまろにえでレがみゆたんだな、『私はミルクチョコのほうがいいわ』って言ってたし!2種類用意してくれてありがとうラ・メゾン・デュ・ショコラ!!そうい意図ではない

 

生まれ変わるのがお菓子なら何がいいかなって考えるの楽しいですね。私だったらナッツとチョコを使ったやつがいい。スポンジは要らんです。1本満足バーとかいいかもしれない、タフになりたいので。

ひとまず今生で、かっこいい人間を目指そう!そんでお友達のピンチにまろにえのように付き合うのだ!!

 

明日の予告

かわいい従兄弟、君のままであれ

2022年アドベントカレンダーブログを書き始めるにあたって/カクテュス@粉と卵

はじめに

毎年構想だけは浮かぶけど、結局時間がなかったり忘れたりで実施できなかったアドベントカレンダーブログですが、今年はやります。頑張ります。

 

2022年、個人的に人生が動いたというか、生活環境がかなり変わった年でした。

職場で初めての部署異動があり、結婚して実家を出た。変化の多かった一年を振り返って、あー記録に残したいな、今年こそは書くべきじゃない?と思いました。

しかし何か面白いテーマを設けないとわざわざ公開しているのに読み手が辛い(し、書き手の私がつまらなくなって続かない)であろうことが容易に予想される……先輩方はどうしてたんだっけ?と見てみると、年の初めにツイッターに書いた目標をふまえて書いておられる。さて、私の目標は?

2022年の目標、ツイッター的には「楽しいことを探す」かなぁ。愚痴よりも美しいもの、楽しいことを、できる限り。】

探してまでもやった楽しいこと……7割くらい食べ物じゃん!お菓子じゃん!!

という経緯で、「今年初めて食べたお菓子」について、思い出を交えつつ書くことにしました。ざっと写真等で確認したら24個どころじゃなさそうで自分(の健康)が怖い。

 

それでは今年こそは書き終えられること、皆さんに甘味との幸福な出会いがあることを祈りつつ。どうぞよろしくお願いします。

 

第1日目!

記念すべき第1日目に紹介するのは、世田谷区奥沢の洋菓子店 「粉と卵」の「カクテュス」という焼き菓子です。
https://www.konatotamago.com
私の配偶者は、結婚するまで自由が丘の近隣に住んでいました。自由が丘はスイーツ激戦区ですが、あまりお菓子に興味がなく、私と交際するようになってから関心を持つようになったらしい。それで案内してくれたお店の1つが「粉と卵」でした。
「粉と卵」は自由が丘からはすこし離れたところにありますが、メディアで紹介されるときは自由が丘に括られている気がします。お店はいわゆる『町の洋菓子屋さん』という趣き。外装・内装ともにオレンジ色がおしゃれだけれど気取った感じが無くて、普通におばちゃんや親子連れがケーキを買いに来ているところもよく見かけました。
ここの看板商品といえばスイートポテトですね。私もテレビで見たことがあった。

何度か食べていますが、ほんとに美味しいです(美味しそうに撮れてないけど)。お芋の繊維感と甘さがじんわり舌に広がる。キャラメリゼも冷凍が溶けかかった感じも最高。

 

も私がこのお店で一番好きなのは、「カクテュス」……!(リンクだとかなり下に紹介されています)
https://www.konatotamago.com/sweets
マドレーヌのような貝殻型より細長い形状がcactus(サボテン)と言われればそうかもしれない。さっくりした食感のクッキー2枚の間に、滑らかなチョコレートがサンドされています。チョコでクッキーが貼り合わされているといったほうが適切?これをさらに斜めにチョコがけ、お洒落だ……!
チョコとクッキーの組み合わせ、期待を裏切らずたまらない……。クッキーが重すぎないのが良いんですよ。ちょっとほろっとしたくらいで。チョコも甘いんですが量が多くないのがいい!
スイートポテトは勿論美味しいけど持ち帰りづらかったので、あの辺に行くとしょっちゅうこれを買い求めていました。結婚の接拶で実家に来たときにも「手土産は焼き菓子の詰め合わせ、カクテュスが入ってるやつ!私が食べるから!!()」とリクエストしたくらいだった。(実際に持ってきてもらったもの↓。左列前から2番めがカクテュスです)

 

難点はチョコを扱う性質上、暑い時期には売られていないこと。。
現在、東京の東側に住んでいるので、自由が丘はちょっぴり遠くなってしまいましたが、また遊びに行きたいなぁ。寒くなったからカクテュスはきっと店頭に並んでいるでしょうし。何度も行きたいお店が増えるのは楽しいことだと思います。

 

明日の予告

次生まれ変わるのに女の子じゃなかったら、なりたいスイーツって何?